レモンを代表とする果物類や野菜類に多く含まれているビタミンC。肌や健康のことを思って意識的にビタミンCを摂取するなら、具体的にどのような効果があるかを知っておくことが大切です。
この記事では、ビタミンCに期待できる効果や1日の摂取量など、ビタミンCの基本をわかりやすく解説します。ビタミンCが不足するとカラダにどのような影響があるのか、サプリメントで摂ってもいいのかなど、よくある疑問についても説明します。
ビタミンCが多く含まれる食べ物も紹介するので、ぜひ毎日の食事にお役立て下さい。
ビタミンCに期待できる効果
ビタミンCは、水に溶けやすい水溶性ビタミンの一種で、健康なカラダや肌の機能をサポートする働きがあります。
ビタミンCに期待できる効果はさまざまありますが、代表的なものは以下の4つです。
- コラーゲン合成の促進
- 抗酸化作用
- 鉄分の吸収をサポート
- メラニン色素の生成の抑制
コラーゲンは美容にとって大切な栄養素で、皮膚や血管などさまざまな場所で細胞同士をつなぎます。コラーゲンの合成を促進するためにはビタミンCが必要です。
また、ビタミンCには抗酸化作用が期待できるほか、吸収しにくい非ヘム鉄の吸収をサポートする働きや、新たに肌にメラニン色素が生成されるのを防ぐ働きもあります。
ビタミンC不足によるカラダへの影響
ビタミンCが不足するとコラーゲンが合成できず、皮膚や血管などが修復できなくなります。すると、貧血や毛細血管から出血が起こり、健康に悪影響を与えることがあるとされています。
ほかにも、疲れやすくなる、食欲不振になる、気分が落ち込む、肌にハリがなくなるといった症状が生じやすくなるとされているようです。ビタミンCが不足すると、カラダや肌のさまざまな不調につながる可能性が懸念されます。
ビタミンCはサプリメントで摂っても大丈夫?
そもそもビタミンCには水に溶ける性質があり、一時的に多く摂取しても尿などから排出されるため、多く摂取しても問題は起こりにくいとされています。
ただし、サプリメントで一度に過剰摂取すると、カラダが消化吸収できずに嘔吐や下痢につながる可能性があるともされるようです。
サプリメントは薬ではなく食品なので、サプリメントからビタミンCを適量摂取することに問題はないといえるかもしれませんが、効果を期待して過剰摂取することは避けましょう。
ビタミンCは、次で解説する1日当たりの摂取量を目安にして、自分のカラダに必要な量を摂取することが大切です。
1日に推奨されるビタミンCの摂取量
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)(※)」では、ビタミンCの1日当たりの推奨摂取量を、男女ともに12歳以上は1日100mgと設定しています。
ただし、以下のビタミンCが不足しやすい方は、1日の推奨摂取量100mgに指定量プラスして摂取することが推奨されています。
- 妊娠中の方:10mg
- 授乳中の方:45mg
- 喫煙中の方:35mg
妊娠・授乳中は赤ちゃんの分もビタミンCを摂る必要があるため、普段よりも多く摂取する必要があります。また、喫煙するとビタミンCが消費されるといわれており、その分ビタミンCが多く必要になります。
(※)厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
ビタミンCが多く含まれる食べ物
ビタミンCは幅広い食べ物に含まれていますが、主に果物類や野菜類に多く含まれています。
厚生労働省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)(※)」より、100g当たりのビタミンC含有量が多い食べ物を以下の表にまとめました。
食品名 |
100g当たりのビタミンC含有量 |
赤ピーマン(生) |
170mg |
芽キャベツ(結球葉/生) |
160mg |
ゆず(果皮/生) |
160mg |
黄ピーマン(生) |
150mg |
ブロッコリー(生) |
140mg |
キウイフルーツ(黄肉種/生) |
140mg |
レモン(全果/生) |
100mg |
柿(甘がき/生) |
70mg |
(※)厚生労働省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ビタミンCは水に溶け出るので、調理するときは注意が必要です。あたたかいものが食べたいときはスープ、生で食べるならサラダやカットフルーツにするといいでしょう。
なお、ビタミンCがデンプンに包まれている「いも類」は、ほかの野菜よりも調理による損失が少ないとされています。
100g当たり、じゃがいも(皮なし/生)には28mg、さつまいも(皮なし/生)には29mg含まれているので、上手に活用しましょう。切ってから水にさらすレシピも多いですが、ビタミンCの損失を減らすためには、水にさらさずにそのまま使うことをおすすめします。
ビタミンCを多く含む食べ物は、以下の記事でさらに豊富な種類を紹介しています。こちらもぜひチェックして、食事の参考にして下さい。
まとめ
ビタミンCは、コラーゲン合成の促進や抗酸化作用などの効果が期待できる栄養素です。不足すると健康に悪影響を与える可能性があるため、1日100mgを目安に摂取しましょう。1日の食事のなかで、少量ずつ分けて摂ることをおすすめします。
ビタミンCが多く含まれる食べ物には、赤ピーマンや芽キャベツといった野菜類、ゆずやレモンなどの果物類があります。ビタミンC不足にならないように、これらの食べ物を意識的に取り入れましょう。
また、ビタミンCは食事から摂ることが基本ですが、水に溶け出るため、加熱する場合は茹でるよりもレンジや蒸し料理にする、またはスープやサラダで食べるといいでしょう。
なお、健康や肌のためにビタミンCを摂りたいなら、ビタミンCだけでなくバランスのいい栄養素を摂る必要があります。ビタミンCに加えてほかの栄養素も適量摂れるように、一度食事内容を見直してみましょう。
【監修者】
北嶋佳奈
大学卒業後、飲食店勤務やフードコーディネーターアシスタントを経験し、独立。
2019年に株式会社Sunny and設立。「こころもからだもよろこぶごはん」をテーマに美容・ダイエット・健康に関する料理本の出版、雑誌でのレシピ開発やコラム執筆、ラジオ・テレビ・イベントへの出演などで活動中。
所有資格:管理栄養士