【デザイナー日誌】一旦完成!オリジナルフォント「FUJIMI FONT」

FUJIMI FONTが完成しました!

こんにちは。デザイナーの白木です。
以前こちらの記事で紹介させて頂いたFUJIMIのオリジナルフォント「FUJIMI FONT」が、一旦の完成を迎えました!
電通のアートディレクターである八木さんのご協力の元、今年の2月から半年ほどかけてコツコツ作ってきたので、簡単ながら紹介させていただきます。

コンセプトについて: エレガントさと親しみやすさの融合

FUJIMI FONTは、エレガントで女性らしく、同時に親しみやすい特徴を持った書体です。
このフォントは、それぞれ異なる特性を持つ2つの書体「Peignot(ペニョ)」と「Avenir(アベニール)」からインスパイアを受けて造形されています。

1. 「Peignot」のエレガンスと親しみやすさ

FUJIMI FONTはフランスの書体「Peignot(ペニョ)」をベースに制作を進めました。
Peignotは、フランスのグラフィックデザインの巨匠A.M.カッサンドルによって生み出され、その洗練されたデザインはYves Saint Laurentなどの有名ブランドのロゴにも使用されたことで知られています。

このフォントは、大文字のエレガンスと小文字の親しみやすさを絶妙に組み合わせ、さらにオールドスタイルの数字を特徴としています。
これにより、「ペニョ」は高級感と同時に心温まる印象を与える特徴を持っています。

Peignot

2. 「Avenir」のモダンさと人間味

一方、「Avenir」はスイスの書体デザイナーAdrian Frutigerによって制作されたモダンなサンセリフ書体で、FUJIMIのブランドガイドラインに規定される推奨ゴシック体です。
ジオメトリックな要素とスタイリッシュさを備えつつ、人間味あふれるデザインが特徴で、読みやすさと美しさを兼ね備えています。

Avenir

制作までの経緯

実はFUJIMI FONTの誕生には、この記事が掲載されているオウンドメディア「FUJIMISM」が大きく関わっています。

リブランディングと新しいロゴの誕生、そして「FUJIMISM」オープンへ

2023年1月、FUJIMIはリブランディングを行い、ブランドロゴを一新しました。
このブランドロゴを制作されたのがアートディレクターの八木さんです。
この新しいロゴは、FUJIMIのアイデンティティを新たに構築する重要な一歩でした。

ブランドロゴのリニューアル
その後、2023年2月にオウンドメディア「FUJIMISM」がオープンしました。

このメディアのロゴをデザインするにあたり、ブランドロゴの「F」「U」「J」「I」「M」に加え、新たなアルファベットが必要になりました。

これを機に、以降どんなアルファベットが必要になっても対応できるよう、「FUJIMISM」のロゴと同じデザインルールに基づいたフォントを制作する必要性が出てきました。

ブランドロゴと「FUJIMISM」のロゴ


 デザインの特徴

上記の通り、FUJIMI FONTはPeignotをベースにAvenirとの相性を考えて作られたフォントです。
全く異なる2つの書体の特徴を合わせ持つ書体として、主に下記のようなことを意識して制作を進めました。

1. 優しい印象に見えるよう、「A」などの尖った部分の角を取る

親しみやすさと優美さの表現のため、尖った部分の角を取ることで、優しい印象を出しました。

これにより、文字が柔らかく、読み手に対して親しみやすい雰囲気を持っています。

Peignotの「A」との比較

2.太い部分はより太く、細い部分はより細く

Peignotのlightをベース、太い部分はより太く、細い部分はより細くデザインすることで、エレガントさを強調した造形になっています。

Peignotの「F」との比較

3. Avenirとの調和

FUJIMI FONTは「Avenir」と同時に使用されることを想定しており、違和感なく組み合わせられるよう、特定の文字の造形を「Avenir」と揃えています。
例えば、「G」、「Q」、「W」などの文字は、Avenirとの調和を考慮してデザインし、一貫性を持たせています。

Peignotをベースに、Avenirに造形を揃えてデザイン

4. オールドスタイルの数字の再構築

「Peignot」の特徴であるオールドスタイルの数字は、Avenirとの相性を考慮して大きくデザインを変更しました。
結果、数字に関してはPeignotではなくAvenirを元に造形しています。
これにより、数字も他の文字と調和し、フォント全体の一貫性が保たれています。

数字はAvenirを元にデザイン

今後どう使っていくか

FUJIMI FONTは、今後、ブランドアイデンティティを強化し、コミュニケーション手段として幅広く活用される予定です。

このフォントを作るきっかけになった「FUJIMISM」のロゴをはじめ、商品パッケージや同梱物、オリジナルグッズなど、お客様とのあらゆるコミュニケーションに役立てたいと考えています。

ブランドロゴと同様に、ブランドのアイデンティティを支え、柔軟性を持たせる重要な要素として今後も活用される予定です。
また、現在は大文字しか収録されていないので、今後の活用範囲によっては小文字も増やしたいと考えています。

まとめ

ここまで長々と語ってしまいましたが、オリジナルフォントの制作により、FUJIMIはブランドとしてちょっとだけ成長したと考えて頂ければと思います。
フォントは、ブランドのアイデンティティを強化し、コミュニケーションの幅を広げる重要な要素です。

フォントがブランドの視覚的なアイデンティティと一致していると、お客様はブランドのメッセージをより簡単に認識し、共感することができます。
そういった意味では、フォントはある意味、ブランドの声といえるかもしれません。

その声を活用し、今後もFUJIMIはお客様の人生と並走するパーソナライズビューティケアブランドとして、お客様との結びつきを一層強化していきたいと考えています。