バナナは健康にいいイメージがある一方、「甘くて糖質が高そう」というイメージも持たれやすい果物です。
糖質制限中やダイエット中にもバナナを食べてもいのか、疑問に思う方は多いのではないでしょうか。
この記事では、バナナの糖質量はどのくらいか、ほかの果物や食品と比較して紹介します。バナナに含まれるほかの栄養素などにも触れているので、ぜひ参考にして下さい。
- バナナの糖質に関する基本情報
- バナナ1本(可食部100g)当たりに含まれる糖質量
- バナナの糖質量をほかの果物と比較
- 糖質制限中にバナナを食べてもいい?
- ダイエット中にバナナを食べてもいい?
- バナナの摂取量の目安
- バナナは栄養が豊富!アレンジして楽しむのもおすすめ
- まとめ
バナナの糖質に関する基本情報
そもそも「糖質」とは、炭水化物から食物繊維を除いたものをさします。たんぱく質・脂質とともに「エネルギー産生栄養素」と呼ばれ、人のカラダや脳を動かすエネルギー源となります。
人が活動するために必要な栄養素ですが、一方で摂りすぎると血糖値の急上昇を招き、肥満につながりやすくなる特徴もあります。
健康の維持やダイエットのためには、血糖値が上昇しにくい食品を選ぶ、または急上昇をできる限り抑えられる食べ方を心がけることが大切です。
糖質や血糖値に関する以上の基礎知識を確認したうえで、次の項目ではバナナに含まれる糖質に関して見ていきましょう。
バナナ1本(可食部100g)当たりに含まれる糖質量
文部科学省「食品成分データベース(※)」をもとに、炭水化物-食物繊維で計算すると、バナナ1本(可食部100g)当たりの糖質量は、約21.4gです。
糖質にはいくつかの種類がありますが、そのうちバナナにはでんぷん・果糖・ブドウ糖・ショ糖など、複数種類の糖質が含まれているところが特徴です。
これらの糖質は、種類によって体内に消化吸収されるスピードが異なりますが、バナナには「消化吸収が早い糖質」と「緩やかな糖質」の両方が含まれます。
このことから、エネルギー源として即効性と持続性を併せ持つ、腹持ちのいい食品だといえます。
(※)文部科学省「食品成分データベース」
バナナの糖質量をほかの果物と比較
バナナに含まれる糖質量と、ほかの果物100g当たりの糖質量を比較して見てみましょう。
果物名 |
100g当たりの糖質量 |
バナナ |
21.4g |
いちご |
7.1g |
みかん |
11.0g |
キウイフルーツ |
10.8g |
すいか |
9.2g |
パインアップル |
12.5g |
メロン |
9.8g |
りんご |
14.1g |
(※)文部科学省「食品成分データベース」をもとに、炭水化物-食物繊維で計算
上記の表を見てわかるとおり、バナナの糖質は、ほかの果物と比較すると高めであるといえます。
糖質制限中にバナナを食べてもいい?
バナナの糖質量がほかの果物と比較して高めであることから、一見、糖質制限中にバナナを食べるのは控えた方がいいと思われるかもしれません。
しかし、バナナに含まれるでんぷんは体内への吸収が緩やかであり、血糖値の上昇を緩やかにする食物繊維も含まれています。糖質がやや高めでも血糖値が急上昇するわけではないので、糖質制限中でも適量であれば食べても問題ないといえるでしょう。
なお、糖質を摂りすぎるとエネルギー源として消費されない分はカラダに蓄えられ、肥満につながるとされています。とはいえ、糖質が不足するのもよくありません。
糖質が不足することで、疲労感が出やすくなったり基礎代謝の低下を招いたり、集中力が低下したりする懸念があるとされています。
糖質制限中に限らず、バナナは過剰に摂取しすぎず制限もしすぎず、適量を心がけましょう。
ダイエット中にバナナを食べてもいい?
バナナは基本的に、ダイエット中でも適量であれば食べていい食品であるといえます。
まず、ダイエット中には特にカロリーが気になると思いますが、バナナの1本(可食部100g)当たりのカロリーは約93kcalです。一般的な主食や間食と、バナナのカロリーを比較してみましょう。
食品名 |
100g当たりのカロリー |
バナナ |
93kcal |
精白米 |
156kcal |
角形食パン |
248kcal |
メロンパン |
349kcal |
カステラ |
313kcal |
(※)文部科学省「食品成分データベース」
上記は100g当たりのカロリーのため、実際の1食分として考えた場合、例えばご飯1膳を150gとすると234kcalになります。バナナはカロリーが高いと思われやすいですが、ご飯やパン類を比較すると、意外にもカロリーは低めであることがわかるでしょう。
また、「GI値」の観点からも、バナナはダイエット中にも向いている食品といえます。
GI値とは、食後血糖値の上昇を引き起こす速度を示した指標であり、数値が低いほど血糖値の上昇が緩やかな食品です。肥満の原因となる血糖値の急上昇を抑えるためには、GI値を参考にして食品を選ぶことも大切です。
例として、朝食に食べることが多い食品で比較すると、ご飯・パン・餅のGI値は70以上であり「高GI食品」に該当します。対してバナナのGI値は51であり「低GI食品」です。
また、バナナには代謝をサポートするビタミンやミネラルなど、さまざまな栄養素が含まれることも、ダイエット中でもおすすめといえる理由のひとつです。
ただし、筋肉や髪の毛、皮膚などを構成するカラダにとって重要な栄養素「たんぱく質」の量は少なめです。そのため、バナナの摂取に加えてバランスがいい食事を心がけ、たんぱく質も含めて栄養バランスを考えましょう。
バナナの摂取量の目安
バナナはダイエット中でも食べていいとはいえ、食べ過ぎるとカロリーや糖質の摂りすぎにつながります。1日当たりの適切な摂取量の目安を知っておきましょう。
健康増進法に基づいて食物摂取量などの目標値を定めている、厚生労働省の「健康日本21(※)」果物の摂取量を1日200gとしています。
バナナの可食部が1本当たり約100gであるため、バナナで満たす場合は「1日2本まで」がひとつの目安になります。
ほかの果物も食べるなら、例えば「りんご50g、いちご50g、バナナ100g」のように、適宜量を変える工夫をしましょう。
(※)厚生労働省「健康日本21」
バナナは栄養が豊富!アレンジして楽しむのもおすすめ
バナナは栄養素が豊富な果物であり、例えば以下の栄養素も含まれます。
- エネルギーの代謝に関わるビタミンB群
- 余分な塩分を体外に排出しやすくするカリウム
- 骨の成長や維持に必要なマグネシウム
上記のほか、ポリフェノールやトリプトファン、食物繊維なども含まれていますが、食物繊維については、水溶性食物繊維・不溶性食物繊維の両方が含まれる点も特徴です。
皮をむくだけでそのまま食べられるバナナは、朝食やおやつはもちろん、運動前後の手軽な糖質補給にも向いています。
バナナを食べる頻度が高く飽きてしまう場合は、「輪切りのバナナをヨーグルトに加える」「牛乳+ほかの野菜・果物とミキサーにかけてスムージーにする」など、アレンジして楽しみましょう。
なお、バナナは栄養豊富とはいえ、「バナナだけを食べる」といった偏った食生活は推奨できません。規則正しい食生活を心がけて、バランスよく栄養素を摂取することが理想です。
先に触れたとおり、たんぱく質の量は少なめといえるため、たんぱく質も一緒に摂れるプロテインスムージーは朝食としておすすめです。
まとめ
バナナの糖質量はほかの果物と比較すると高めですが、食物繊維も含まれることからGI値は低く、血糖値が急激に上がりにくい特徴もあります。
食べ過ぎには注意が必要ですが、糖質制限中やダイエット中でも1日1~2本を目安に食べることができます。
ただし、たんぱく質などバナナだけでは十分に摂れない栄養素もあるため、バナナだけを食べるのではなく、バランスの整った食事を心がけましょう。
たんぱく質をはじめとした栄養素が食事だけでは不足する場合は、たんぱく質が手軽に摂れるプロテインの活用も選択肢となります。
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【監修者】
北嶋佳奈
大学卒業後、飲食店勤務やフードコーディネーターアシスタントを経験し、独立。
2019年に株式会社Sunny and設立。「こころもからだもよろこぶごはん」をテーマに美容・ダイエット・健康に関する料理本の出版、雑誌でのレシピ開発やコラム執筆、ラジオ・テレビ・イベントへの出演などで活動中。
所有資格:管理栄養士