健康的な食生活を送るには、ビタミンB群は欠かせない栄養素のひとつです。しかし、ビタミンB群とはそもそも何なのか、意外と知らない方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ビタミンB群の基本情報をわかりやすく説明します。さらに、ビタミンB群に含まれる8種類の栄養素の特徴や多く含まれる食べ物も紹介します。
ビタミンB群を日々の食事に上手に取り入れて、健康的なカラダを目指しましょう。
- ビタミンB群とは8種類からなる栄養素
- 【ビタミンB1】特徴と多く含む食べ物
- 【ビタミンB2】特徴と多く含む食べ物
- 【ビタミンB6】特徴と多く含む食べ物
- 【ビタミンB12】特徴と多く含む食べ物
- 【ナイアシン】特徴と多く含む食べ物
- 【パントテン酸】特徴と多く含む食べ物
- 【ビオチン】特徴と多く含む食べ物
- 【葉酸】特徴と多く含む食べ物
- ビタミンB群が働くにはバランスよく栄養を摂取することが大切
ビタミンB群とは8種類からなる栄養素
ビタミンB群とは、ビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンの8種類からなる栄養素です。
ビタミンB群には、たんぱく質・糖質・脂質の代謝に必要な栄養素です。水に溶けやすい水溶性ビタミンで、過剰摂取した場合は尿として排出されるため、1日にバランスよく摂取することが求められます。
以降の見出しでは、8種類それぞれの特徴や多く含まれる食べ物について、厚生労働省「日本食品標準成分表2020年版(八訂) (※)」の情報をもとに紹介します。
なお、ここから紹介するビタミンB群を多く含む食べ物については、生肉の含有量を紹介している場合もありますが、生食にはリスクがあるため、絶対に生食してはいけないことを覚えておいて下さい。
(※)厚生労働省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
【ビタミンB1】特徴と多く含む食べ物
ビタミンB1は、糖質からエネルギーを生成するときに必要な栄養素です。ビタミンB1を多く含む食べ物には、豚肉をはじめ以下のものがあります。
食品名 |
可食部100g当たりの含有量 |
豚ヒレ(赤肉/焼き) |
2.09mg |
まいたけ(乾燥) |
1.24mg |
黄大豆(米国産/乾) |
0.88mg |
落花生(小粒種/乾) |
0.85mg |
うなぎ(蒲焼き) |
0.75mg |
すけとうだら(たらこ/生) |
0.71mg |
【ビタミンB2】特徴と多く含む食べ物
ビタミンB2は、糖質・脂質・たんぱく質の代謝を促して、細胞の成長や修復をサポートします。レバーをはじめ、以下のものに含まれています。
食品名 |
可食部100g当たりの含有量 |
豚レバー(生)(※) |
3.60mg |
牛レバー(生)(※) |
3.00mg |
鶏レバー(生)(※) |
1.80mg |
しいたけ(乾) |
1.74mg |
アーモンド(乾) |
1.06mg |
うなぎ(蒲焼き) |
0.74mg |
うずら卵 |
0.72mg |
(※)召し上がる際は必ず加熱して下さい。
【ビタミンB6】特徴と多く含む食べ物
ビタミンB6は、たんぱく質の分解をサポートし、皮膚や髪の毛などを生成する働きがあります。ピスタチオやマグロなど、以下のものに多く含まれています。
食品名 |
可食部100g当たりの含有量 |
ピスタチオ(煎り/味付け) |
1.22mg |
ミナミマグロ(赤身/生) |
1.00mg |
カツオ(生) |
0.76mg |
ごまさば(さば節) |
0.68mg |
まいわし(丸干し) |
0.68mg |
鶏ササミ(焼き) |
0.59mg |
【ビタミンB12】特徴と多く含む食べ物
ビタミンB12は、葉酸とともに血液を作る働きや、神経などを維持する働きがある栄養素です。以下のように、魚介類などに多く含まれています。
食品名 |
可食部100g当たりの含有量 |
しじみ(生) |
68μg |
あさり(生) |
52μg |
まいわし(丸干し) |
29μg |
はまぐり(生) |
28μg |
牡蠣(養殖/生) |
23μg |
【ナイアシン】特徴と多く含む食べ物
ナイアシンは、糖質・脂質・たんぱく質の代謝に関わり、皮膚や粘膜を健康に保ちます。多く含まれる食べ物は、魚類など以下のとおりです。
食品名 |
可食部100g当たりの含有量 |
すけとうだら(たらこ/生) |
50mg |
落花生(大粒種/煎り) |
23mg |
カツオ(春獲り/生) |
19mg |
めじまぐろ(生) |
19mg |
乾しいたけ(乾) |
19mg |
うるめいわし(丸干し) |
16mg |
【パントテン酸】特徴と多く含む食べ物
パントテン酸は、たんぱく質などの代謝やエネルギー産生のために大切な栄養素であり、抗ストレス作用もあるとされています。レバーや納豆など、以下のものに多く含まれています。
食品名 |
可食部100g当たりの含有量 |
鶏レバー(生) (※) |
10.00mg |
乾しいたけ(乾) |
8.77mg |
豚レバー(生) (※) |
7.19mg |
牛レバー(生) (※) |
6.40mg |
挽きわり納豆 |
4.28mg |
玉露(茶) |
4.10mg |
すけとうだら(たらこ/生) |
3.68mg |
(※)召し上がる際は必ず加熱して下さい。
【ビオチン】特徴と多く含む食べ物
ビオチンは、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあり、糖質・脂質・たんぱく質の代謝に関わっています。鶏レバーをはじめ、以下のものに含まれています。
食品名 |
可食部100g当たりの含有量 |
鶏レバー(生) (※) |
230μg |
落花生(大粒種/煎り) |
110μg |
豚レバー(生) (※) |
80μg |
牛レバー(生) (※) |
76μg |
鶏卵(卵黄/生) |
65μg |
ドライトマト |
43μg |
黄大豆(中国産/乾) |
33μg |
(※)召し上がる際は必ず加熱して下さい。
【葉酸】特徴と多く含む食べ物
葉酸とは、胎児の発育に大切な栄養素のひとつでもあります。赤血球の形成やDNA合成に関わるほか、ビタミンB12とともに赤血球を作る役割があります。葉酸を多く含む食べ物には、以下のものが挙げられます。
食品名 |
可食部100g当たりの含有量 |
あまのり(焼きのり) |
1900μg |
鶏レバー(生) (※) |
1300μg |
牛レバー(生) (※) |
1000μg |
豚レバー(生) (※) |
810μg |
ウナギ(肝/生) |
380μg |
枝豆(生) |
320μg |
からし菜(葉/生) |
310μg |
(※)召し上がる際は必ず加熱して下さい。
ビタミンB群が働くにはバランスよく栄養を摂取することが大切
ここまでビタミンB群を多く含む食べ物を紹介しましたが、ビタミンB群だけを摂取すれば健康になるわけではありません。
例えば、たんぱく質が働くためにはビタミンが必要であるなど、ビタミンB群は、ほかの栄養素と一緒に摂ることで効率的な働きが期待できます。
栄養素は「支え合い」なので、どの栄養素も大切です。そのため、ビタミンB群やたんぱく質などの栄養素は、どれかに偏って摂取するのではなく、毎日の食事からバランスよく摂取することが理想です。
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【監修者】
北嶋佳奈
大学卒業後、飲食店勤務やフードコーディネーターアシスタントを経験し、独立。
2019年に株式会社Sunny and設立。「こころもからだもよろこぶごはん」をテーマに美容・ダイエット・健康に関する料理本の出版、雑誌でのレシピ開発やコラム執筆、ラジオ・テレビ・イベントへの出演などで活動中。
所有資格:管理栄養士