たんぱく質の必要量はどれくらい?含有量の多い食べ物や効率よく摂取する方法を解説

たんぱく質を積極的に取り入れたいものの、適切な摂取量やたんぱく質が含まれる食品がわからず悩む方は多いのではないでしょうか。

たんぱく質は筋肉や臓器のもとになる栄養素で、多くの食材に含まれています。健康なカラダ作りにはたんぱく質の摂取が大切ですが、摂りすぎはカラダに影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

本記事では、たんぱく質の役割やたんぱく質が多く含まれる食材、たんぱく質を効率よく摂取する方法を解説しているので、たんぱく質について詳しく知りたい方はぜひ参考にして下さい。

たんぱく質とは?

たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚、髪の毛を作るために必要な成分です。何種類ものアミノ酸が結合してできており、健康なカラダを保つために欠かせない栄養素といえます。また、肉や魚に多く含まれており、食べ物から摂取できます。

では、健康なカラダを維持するためのたんぱく質の働きとは何でしょうか。本項目ではたんぱく質の役割や働き、たんぱく質が不足するとどうなるのかも解説しています。

たんぱく質の役割と働き

たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚、爪、髪の毛のもとになる重要な栄養素です。また、体内の細胞やホルモン、抗体の働きにも関与しています。

食べ物から摂取したたんぱく質は、カラダのなかでアミノ酸に分解され、必要な場所に運ばれて使われます。たんぱく質が代謝されると老廃物が発生し、腎臓を通って排泄されます。

腎臓の機能が低下している場合は、老廃物が排泄されずカラダに溜まってしまうため、腎臓の働きに見合った量に調節しなくてはいけません。その場合は、かかりつけの医療機関に相談が必要です。

たんぱく質の不足がカラダに及ぼす影響

たんぱく質が不足すると、全身にさまざまな影響を及ぼします。

まず、筋肉は主にたんぱく質でできていることから、たんぱく質が不足すると体内の筋肉も減少し、太りやすくなる、姿勢が悪くなる、むくみやすくなるといった影響が出ます。また、成長期のたんぱく質不足は成長障害や免疫力・体力の低下の原因になることもあります。

ほかにも、たんぱく質不足で集中力の低下やイライラ、貧血、毛髪の質の変化(うねりや枝毛、抜け毛)、爪が弱くなる(爪に縦筋が入り、欠けやすくなる)などの症状も出る場合があります。

たんぱく質不足は、以下の記事でより詳しく解説しているので参考にして下さい。

「たんぱく質不足で起こる3つの不調は?1日に必要な摂取量やすぐにできる対策を紹介」

たんぱく質の適切な摂取量

ここでは、たんぱく質の年齢別食事摂取推奨量を紹介します。

年齢

男性

女性

1~2歳

20g/日

3~5歳

25g/日

6~7歳

30g/日

8~9歳

40g/日

10~11歳

45g/日

50g/日

12~14歳

60g/日

55g/日

15~17歳

65g/日

18~29歳

50g/日

30~49歳

50~64歳

65歳以上

60g/日

(出典)厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

また、妊婦は妊娠初期にたんぱく質を付加する必要はないものの、妊娠中期は5g/日、妊娠後期は25g/日、授乳婦は20g/日の付加が推奨されています。

たんぱく質を多く含む食材

たんぱく質は、肉や魚だけでなく多くの食材に含まれています。

本項目では肉類や魚介類、乳製品、豆類、卵類、穀類の食品群ごとにたんぱく質を多く含む食べ物を紹介しているので、日々の食生活の参考にして下さい。

たんぱく質が多い食べ物①:肉類

肉のなかでも特に鶏肉にはたんぱく質が多く含まれています。摂取できるたんぱく質の量は、部位や調理法によって異なります。

食品名

たんぱく質含有量

(可食部100当たり)

皮なし 鶏むね肉(焼き)

38.8g

鶏ささみ肉(ソテー)

36.1g

鶏もも肉のからあげ

24.2g

豚の生ハム

24.0g

豚ヒレ肉(焼き)

39.3g

ビーフジャーキー

54.8g

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

たんぱく質が多い食べ物②:魚介類

魚介類にも多くのたんぱく質が含まれています。魚介類は焼いたものや煮物、刺身のようにさまざまな調理法があるため、食べやすいものから選んで摂取して下さい。

食品名

たんぱく質含有量

(可食部100g当たり)

丸干しうるめいわし

45.0g

くろまぐろ(焼き)

29.0 g

はまぐりの佃煮

27.0g

真あじ(骨付きからあげ)

24.0g

うなぎのかば焼き

23.0g

はまちの刺身

21.0g

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

たんぱく質が多い食べ物③:乳製品

乳製品のなかでも、チーズには特に多くのたんぱく質が含まれています。チーズにも種類がいくつもあり、一人ひとり好みも違うため、食べやすいものから選んで摂取してはいかがでしょうか。

食品名

たんぱく質含有量

(可食部100g当たり)

ナチュラルチーズ(エダム)

28.9g

プロセスチーズ

22.7g

モッツァレラチーズ

18.4g

クリームチーズ

8.2g

ヨーグルト(加糖)

4.3g

生乳

3.9g

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

たんぱく質が多い食べ物④:豆類

豆類は、納豆や豆腐にたんぱく質が多く含まれています。調理する時間がないもののたんぱく質を摂りたい場合には、納豆や豆腐を日々の食生活に取り入れるのもおすすめです。

食品名

たんぱく質含有量

(可食部100g当たり)

油揚げ(焼き)

24.9g

そらまめ(フライビーンズ)

24.7g

生ゆば

21.8g

ひきわり納豆

16.6g

がんもどき

15.3g

焼き豆腐

7.8g

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

たんぱく質が多い食べ物⑤:卵類

鶏卵にもたんぱく質が多く含まれています。なお、調理法を変えてもたんぱく質量が大きく変化しないため、飽きないよういくつかの調理法を取り入れるといいでしょう。

食品名

たんぱく質含有量

(可食部100g当たり)

ゆで卵黄

16.1g

目玉焼き

14.8g

炒り卵

13.3g

ゆで卵(全卵)

12.5g

生卵(全卵)

12.2g

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

たんぱく質が多い食べ物⑥:穀類

炭水化物や糖質を多く含むパンや麺類の穀類にも、たんぱく質が含まれています。時間がないなかで手軽に必要な栄養素を摂取したい場合は、オートミールや米粉のパン、くるみパンを選ぶと、炭水化物やたんぱく質を同時に摂取できておすすめです。

食品名

たんぱく質含有量

(可食部100g当たり)

オートミール

13.7g

ポップコーン

10.2g

食パンの耳

9.7g

米粉ロールパン

8.8g

くるみパン

8.2g

スパゲッティ(ゆで)

5.8g

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

たんぱく質を過剰摂取した場合に起こること

たんぱく質は健康なカラダのために必要な栄養素ですが、摂りすぎには注意が必要です。たんぱく質を摂りすぎると、必要でないたんぱく質が消化・排泄される過程で、肝臓や腎臓に負担がかかります。

また、肉のような動物性たんぱく質は効率的にたんぱく質が摂れるものの脂質も高くなるため、摂りすぎはカロリーの過剰摂取につながります。ほかにも、腸内環境の悪化や尿路結石にも注意が必要です。

たんぱく質を摂りすぎないためには、たんぱく質量だけでなく脂質の量にも気をつけ、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質をバランスよく摂るようにしましょう。

たんぱく質の摂りすぎが心配な場合は、食事回数や量を減らすのではなく、栄養バランスが整った食事に変えるだけで摂りすぎを回避できます。

たんぱく質を効率的に摂取する方法

たんぱく質を効率よく摂取したい場合、夕食よりも朝食で多くたんぱく質を摂るようにしましょう。また、一度に多くのたんぱく質を摂取するよりも、1日3食に分けてたんぱく質を摂取する方が、効率よく摂取でき筋肉が作られやすくなります。

そして、特定の食材を集中的に摂取するのではなく、たんぱく質を含む食材をいくつか組み合わせて摂取するよう心がけましょう。食材によって含まれるアミノ酸が異なるため、いくつかの食材を組み合わせると、数種類のアミノ酸が摂取できます。アミノ酸の種類が偏ってしまうと、体内で十分な機能を果たせない可能性があるため注意が必要です。

食欲が落ちて思うようにたんぱく質を摂取できないときは、プロテインアイスもおすすめです。プロテインを使ったアイスのレシピを詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧下さい。

fujimi.me

まとめ

たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚、髪の毛のもとになる栄養素で、いくつものアミノ酸が結合してできています。年齢や活動量で摂取目安量が異なるため、今回紹介した目安量を目標にたんぱく質を摂取するよう心がけましょう。

また、たんぱく質の摂りすぎは肝臓や腎臓への負荷になるだけでなく、カロリーの摂りすぎにもつながるため注意が必要です。

たんぱく質は、肉や魚、豆類だけでなく乳製品や穀類にも含まれています。たんぱく質の不足を感じている方は、今回紹介した食品を取り入れてみてはいかがでしょうか。1日3食バランスが整った食事を前提として、たんぱく質適切な量のたんぱく質摂取を心がけましょう。

【監修者】

北嶋佳奈

大学卒業後、飲食店勤務やフードコーディネーターアシスタントを経験し、独立。

2019年に株式会社Sunny and設立。「こころもからだもよろこぶごはん」をテーマに美容・ダイエット・健康に関する料理本の出版、雑誌でのレシピ開発やコラム執筆、ラジオ・テレビ・イベントへの出演などで活動中。

所有資格:管理栄養士