美容に影響する睡眠時間は一般的に「シンデレラタイム」と呼ばれ、良質な睡眠はカラダ全体の状態を改善し、美容や健康にもつながるといわれています。
本記事ではシンデレラタイムとは何か、睡眠と美容の関係性や良質な睡眠を取るためにできることを解説しています。
シンデレラタイムとは
シンデレラタイムには、特に決まった定義はありません。
しかし一般的には美容や健康に関わる睡眠時間をシンデレラタイムと表現する場合があります。
「シンデレラタイム」は存在しない？
「シンデレラタイム」に科学的な根拠はなく、一般的には美容のために睡眠を取るべき時間帯とされています。
過去にはそのような時間帯は「22時〜2時の間」という説もありましたが、現在では特に根拠はないといわれています。
一方で睡眠には脳を休ませて精神状態を整え、カラダの疲労を取り除く役割や、臓器や皮膚の細胞を修復しカラダをメンテナンスする役割があるといわれており、睡眠と美容や健康が関係するとわかっています。
しかし睡眠不足になると、翌日の昼間の眠気や集中力低下を招き、ホルモンや自律神経の働きが乱れてしまいます。
よって睡眠不足は美容のみでなく、心身の不調ももたらすといわれています。
睡眠と美容の関係性
良質な睡眠は、眠っている間に成長ホルモンが分泌され、肌の新陳代謝が促されることから美容につながるといわれています。
また睡眠不足は美容のみでなく心身に影響を及ぼす場合があります。
本項目では睡眠とホルモンの関係や睡眠不足になるとどうなるのか、良質な睡眠を取るにはどうしたらいいのかを解説しています。
睡眠と美容の関係性を詳しく知りたい方は参考にして下さい。
睡眠ホルモンと成長ホルモン
人は眠り始めると、メラトニンの働きが大きくなります。
メラトニンはカラダをリラックスさせ深い眠りを促し、カラダの免疫力向上させるホルモンです。
メラトニンは暗くなる夜に多く分泌されるため、夜に部屋を暗くせずライトの光を浴び続けていると分泌されにくくなってしまいます。
また、睡眠ホルモンのメラトニンの働きにより、成長ホルモンの分泌が促されます。成長ホルモンはカラダの新陳代謝を促す働きがあり、眠り始めの3時間に深い睡眠ができるほど、多く分泌されます。
よって成長ホルモンと睡眠ホルモンのメラトニンが多く分泌される眠り始めの3時間が細胞の修復に関わる時間とされています。
睡眠時間が足りないとどうなる？
では睡眠時間が足りないと、カラダにどう影響するのでしょうか。
睡眠不足とは自分にとって必要な睡眠時間が取れていないことをさします。睡眠時間だけでなく深く良質な睡眠が取れているか否かも重要なポイントです。
睡眠不足によって昼間の眠気、集中力の低下や記憶力・判断力の低下から仕事や勉強がはかどらなかったり、ミスの増加につながったりする場合もあり、カラダ全体にさまざまな悪影響を及ぼします。
心もカラダもしっかり休めていない状態が続くと、ストレスを溜めやすくなり、睡眠不足から免疫力も低下し風邪を引きやすくなり、食欲がとめられない状態に陥る場合もあります。
また以下に当てはまる場合は、睡眠不足の可能性があるためチェックしてみて下さい。
- 昼間の眠気が強く仕事や授業中・運転中もウトウトする、あくびがとまらない
- 休日は昼頃まで寝てしまう
- やる気が起きにくい
- 原因がわからない頭痛や吐き気がある
女性は生理周期によっても睡眠の質が変化する場合がある
女性の場合、生理周期も睡眠に影響を与える場合があります。
女性は生理前になると体温を上げる働きがある女性ホルモンのプロゲステロンの分泌が増え、眠気を強く感じることがあります。
また生理前は排卵周期が黄体期で1日の体温の差が少なくなることから、睡眠が浅くなる場合もあります。
質のよい睡眠を取るには
良質な睡眠は心身の健康につながるといわれ、「睡眠時間が足りない」「しっかり眠っているはずだが昼間も眠い」「朝すっきり起きられない」というときは良質な睡眠が確保できていないサインです。
まずは毎日決まった時間に寝て、決まった時間に起きるリズムを整えてみて下さい。朝起きて太陽の光を浴び、脳とカラダに朝が来たことを教えることで体内時計が整い、決まった時間に眠気が来るようになります。
そして有酸素運動を続けると、寝つきのよさや深い睡眠につながりますが、寝る直前の運動はカラダを興奮させ眠りづらくなるため、寝る数時間前の夕方に運動を取り入れるのがよいでしょう。
また、入浴にはリラックス効果があり、就寝2～3時間前に入浴すると寝つきのよさにつながるといわれています。
湯は熱すぎずぬるすぎない温度がおすすめで、39〜41℃程度を目安に自分の体調と好みに応じて変えてみて下さい。
また、過度な飲酒やカフェイン摂取、布団に入ってからスマホを見るなどの習慣がある場合は控えるようにしましょう。
まとめ
「シンデレラタイム」に科学的な根拠はないものの、睡眠と美容や健康は関係があります。睡眠時間が確保できた眠りの深い良質な睡眠は、成長ホルモンと睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を促し、心身の健康につながります。
そして睡眠中はホルモンの作用で細胞を修復し新陳代謝を促す作用から、美容のためにいいといわれています。
良質な睡眠を取るためには睡眠時間の確保のみでなく、規則正しい生活習慣が大切です。適度な運動や毎日決まった時間に寝て起きる、朝起きたら日光を浴びるなどを意識して、良質な睡眠につなげましょう。
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就寝前にたんぱく質を摂取すると成長ホルモンの分泌が促され、細胞の生まれ変わりや免疫機能の向上が期待できるので、日々の習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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【監修者】
吉岡容子
高梨医院 院長
東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・ 美容皮膚科を開設。院長として勤務しています。
※監修医師は特定の商品を推奨しているわけではございません
